「なかなか止まらない咳、気になりませんか?」

「風邪のあと咳だけが続く」

「季節の変わり目に咳が出る

——そんな悩みをもつ方が、当院には多くいらっしゃいます。他にも、

「咳が止まらず、夜も眠れません…」

「大事な会議で咳が出てしまい、つらい思いをしました」

「コロナ禍以降、咳が気になって人との関わりが億劫に…」


こうしたお声を、私たちは日々たくさんお聞きします。咳は体力だけでなく、心にも負担をかけるつらい症状です。だからこそ、私たちは専門の立場から、真摯に治療に取り組んでいます。

長引く咳を治療するにあたって、当院では以下の3つを大切にしています

  1. 咳の“正体”を見極める診断アプローチ
  2. 症状・希望に合わせた“オーダーメイド治療”
  3. “吸入薬を効かせる“ための正しい使い方指導

咳の“正体”を見極める診断アプローチ

レントゲンで大きい病気を見逃さない

咳の原因はさまざまで、以下のような病気を評価していきます。

咳の原因は、「レントゲンで異常が見つかる病気」と「見つからない病気」に大きく分けられます。
肺炎、間質性肺炎、肺がん、結核などは、レントゲンで異常に気づきやすい代表的な疾患です。早期発見が治療の第一歩になります。

一方、レントゲンで異常が分からない病気の代表格には、かぜ(気管支炎)、気管支喘息があります。

咳の原因を正しく見極めるために、当院では原則としてレントゲン検査を行っています。

丁寧な問診で原因を絞ります

慢性咳嗽(まんせいがいそう)とは、レントゲンでは異常が見られず、8週間以上続く咳を指します。最近の国内の調査によると、慢性咳嗽の原因は以下の通りでした。

原因疾患頻度(重複あり)
咳喘息/喘息60.8%
副鼻腔気管支症候群32.9%
アトピー咳嗽31.1%
胃食道逆流症11.4%
COPD/慢性気管支炎1.8%
感染後咳嗽1.2%
鼻炎/後鼻漏0.3%
Ishiura. Respir Investig. 2024


国内の他の研究でも、喘息が最多の原因という結果が繰り返し示されています。
とはいえ、他の原因も見逃せません。それぞれの疾患には、以下のような特徴があります:

  • 副鼻腔気管支症候群:蓄膿症がある/あった
  • アトピー咳嗽:のどのイガイガ感やかゆみ
  • 胃食道逆流症:胸やけ、ゲップ
  • 感染後咳嗽:咳のきっかけとなる感染があった
  • 後鼻漏:花粉症や鼻炎の既往あり

当院では専用のWeb問診表を使い、足りないところは医師が丁寧に問診することで、できるだけ正しく咳の原因を把握するよう努めています。


「長引く咳」「ぜん息」について、院長がJ:COMの番組で詳しく解説しています。

喘息らしさを呼気NO検査でチェック

レントゲンで異常がない場合、呼気NO(一酸化窒素)検査が病気の評価に有用です。呼気NO検査は、喘息の診断や治療方針の決定に役立つシンプルな検査です。約10秒息を吐くだけで行えます。

呼気NO検査の様子

喘息対策にアレルギー検査も有効

当院では、喘息が疑われる方に対して、39種類の代表的なアレルゲンを調べるアレルギー採血検査を実施しています。

アレルギーの有無を把握することで、喘息を悪化させる要因を特定できます。必要に応じて、スギやダニの舌下免疫療法を検討したり、好酸球性副鼻腔炎などの合併症にも対応します。

症状・希望に合わせた“オーダーメイド治療”

「夜眠れないほどの咳がつらい」「すぐに大事な仕事・試験がある」という方には、原因を一つずつ調べるよりも、まずはつらさを軽減する治療から。
「薬の数が増えるのは不安」「何の病気かが心配」という方には、段階的に薬を試しながら、必要最小限で対応しつつ、原因を探ります。

このように、当院では患者さんのご希望に応じた方針を考えるようにしています。お気持ちをぜひWeb問診や診察時にお聞かせください。

また難治性の喘息に対して、当院では生物学的製剤による治療も対応します。ご希望の方はご相談下さい。

吸入薬を「効かせる」ために大切なこと

吸入薬は、現在も喘息治療の中心的な薬です。吸入薬には、様々なタイプの薬剤・配合・デバイスなどがあります。吸入薬の効果は「選び方」と「使い方」で大きく変わります。特に使い方を間違ってしまうと「全く効かない」ということもあり得ます。

当院では、

  • お一人おひとりに合った薬剤とデバイスの選定
  • 医師・看護師によるわかりやすい指導(パンフレット・動画で)

に力を入れています。「前に吸入薬をもらったけど、効かなかった…」という方も、ぜひ一度ご相談ください。

合わせて読みたい

咳の治療は人それぞれ

咳の原因や経過は人によってさまざまです。短期間で改善する方もいれば、時間をかけて向き合う必要がある方もいらっしゃいます。必要であれば湘南鎌倉総合病院など地域の基幹病院とも連携し、最適な医療をご提供します。


来院された皆さん一人ひとりにとって、最適な治療を行えるよう努力しています。つらい咳、一緒に乗り越えていきましょう。まずはご相談ください。ご予約は24時間Webから可能です。

当院では「院長の徒然ブログ」で、咳や喘息についての最新情報や日々の気づきを発信しています。診察では聞けなかったことも、きっとヒントになるはずです。

Instagramでも咳やぜんそくの情報に限らず、たくさんの発信をしています。よければフォローをお願いします。

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