ほら貝を吹くと、睡眠時無呼吸はよくなるの?

サックスやフルートを演奏する院長が、管楽器と呼吸器・医学についてお話しします!

インドでの最新研究から、「ほら貝を吹く練習」を続けると、昼間の眠気が減り、眠りの質が上がり、寝ている間の“息が止まる回数”が少なくなったという結果が出ました。対象は中等症の睡眠時無呼吸(OSA)の方です。期間は6か月でした。
何をしたの?
- 毎回約15分、週に5回を目安に、ほら貝※を一定の強さ・長さで吹く練習を続けました。(※ 正確に言うと、本研究で使われたのは「シャンク貝」というインドの貝です。)
- 深呼吸体操だけを行ったグループと比べて、ほら貝を吹いたグループで改善がはっきりしていました。
どんな楽器?
インドのほら貝、「シャンク貝」の演奏動画です。
どんな良い変化があった?
- 昼間の強い眠気が34%減った
- 「よく眠れた感覚」が上がった
- 寝ている間の“息と呼吸が浅くなる回数”が減った
なぜ無呼吸に効くの?
- 上気道筋がはたらいて口から喉まで空気の通り道を作る
- この上気道筋が睡眠時に弛緩するので無呼吸が起きてしまう
- ほら貝を吹くことで上気道筋のトレーニングになる
- 結果的に眠っても空気の通り道が開きやすくなる
注意してほしいこと
- 基本の治療(CPAPなど)をやめるための方法ではありません。
続けにくい方の補助として検討するイメージです。 - 対象は中等症でした。重症の方はまず標準治療が最優先です。
- 研究は人数が少なく、1つの施設で行われており、より大きな研究での確認が必要です。
こんな方に向いています
- 「日中の眠気を何とかしたい」
- 「CPAPは使っているが、ほかにもできることを探したい」
- 「口の周りやのどの筋肉のトレーニングに興味がある」
まとめ
- ほら貝を吹く練習を6か月続けた人たちで、眠気・眠りの質・息が止まる回数が良くなったという報告があります。
- ただし、標準治療の代わりではなく補助として考えるのが安全です。
- 院長はほら貝を吹いたことがないため、残念ながら教えることはできません!
文献
Sharma KK, Gupta R, Choyal T, Sharma KK, Sharma D, Sharma T. Efficacy of blowing shankh on moderate sleep apnea: a randomised control trial. ERJ Open Research. 2025.
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