「エアコンは28℃に設定しよう」の真偽?

元環境省課長の、クールビズに伴う夏のクーラー利用について「なんとなく28℃でスタートした」発言がネットで再度話題になっています。そもそも「エアコンは28℃に設定しよう」という国の推奨があるように言われることもありますが、さすがに暑すぎるのでは…? 実際のところはどうなのでしょうか?
✅ 1.「28℃」は室温の目安であって、設定温度ではない
- 環境省が平成17年(2005年)から推進しているクールビズでは、「冷房時の室温を28℃(+湿度70%以下)が目安」とされています。
- これは設定温度ではなく、あくまで「室温」についての目安です。設定温度を28℃にしても、部屋の実際の温度は環境によって変動します。
🧾 2. “なんとなく”発言の背景
- 2017年5月に行われた副大臣会議で、盛山法務副大臣が「なんとなく28℃でスタートした」と発言したことが報じられました。しかし、これは実際の取り組みの根拠がないと言っているわけではありません。
- 実際には28℃は労働安全衛生法や建築物衛生基準で定められた「室温17〜28℃」という範囲に基づくもので、根拠のある数字です。
📚 3. なぜ「28℃」なのか?
- 法律:労働安全衛生法や建築物衛生基準で、事務室の快適温度は17〜28℃と定められています。
- クールビズ:軽装と組み合わせることで快適性を保ちつつ、省エネにも効果的という調査結果があるため、室温28℃が目安とされました。
- 省エネ効果:「設定温度を1℃緩和すると冷房消費電力は約13%減」という統計的なデータにも支えられています。
✨ まとめ
誤解 | 正しい理解 |
---|---|
「エアコンの設定を28℃に」 | →「部屋全体の室温を28℃前後に保つのが目安」 |
「なんとなく決めた」 | → 法律・クールビズ調査・省エネ効果に基づいた根拠ある値 |
つまり、「政府がなんとなく決めた」のは誤解といえます。28℃設定の呼びかけは、根拠ある要請で、法律と実証に支えられたものです。
💡 実際に快適&省エネに過ごすためのポイント
- 設定温度だけでなく、湿度管理(40〜60%が目安)も大事。
- 扇風機やサーキュレーター併用や遮熱カーテンで体感温度を下げる工夫。
- 部屋の断熱・気密性を上げる改修も長期的に効果あり。
要するに、28℃は「なんとなく」ではなく、節電・健康・法律の観点から理にかなった目安です。設定温度ではなく、室温の管理として理解し、環境や体感に応じた調整をするのが最も効果的ですよ。
ちなみに…海外でも、冷房時の「推奨室温」や「設定温度」は国や機関によって異なります。以下に代表的な国・地域の推奨温度をまとめました:
🌍 海外各国のクーラー推奨設定温度
国・地域 | 推奨温度(冷房時) | 根拠・目的 |
---|---|---|
🇺🇸 アメリカ(エネルギー省) | 26℃(78°F) | 在宅時の省エネ設定。外出時は28℃以上推奨。 |
🇨🇦 カナダ(BC州) | 25〜27℃ | 高齢者の熱中症対策と省エネのバランスを重視。 |
🇪🇺 EU(欧州議会・環境省) | 26〜27℃ | 建物の省エネ指針(EPBD)で温度制限。 |
🇸🇬 シンガポール(国家環境庁) | 25℃以上 | 電力削減のため、冷房は25℃以上を推奨。 |
🇭🇰 香港(環境保護署) | 25.5℃ | 政庁・企業での省エネ運動「Green Office」。 |
🇦🇺 オーストラリア(エネルギー省) | 24〜26℃ | 夏のピーク電力対策として26℃推奨。 |
🔍 傾向と背景
- 省エネ目的:ほとんどの国が「エネルギー削減」と「CO₂排出抑制」のため、26〜28℃の設定を推奨。
- 熱中症対策とのバランス:高齢者・子ども・持病のある人の快適さも考慮されており、「暑ければ無理せず冷やす」柔軟な対応が基本です。
- 湿度や体感温度重視:特にアジアでは、高湿度環境での熱中症リスクを考慮して、除湿や通気を併用することも推奨されています。
ということで、年々暑くなる夏ですが、エアコンによる快適な室温で熱中症を予防しましょう!
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