コロナワクチンが、がん免疫治療を助ける? 最新研究から見えた意外な力

最近、米国テキサス州のMDアンダーソンがんセンターから発表された研究で、
「新型コロナワクチン(mRNAワクチン)が、がん治療を助ける可能性がある」
という興味深い結果が報告されました(Nature誌 2025年)。
🌿研究の概要
もともとmRNAワクチンは、コロナウイルスの「スパイクたんぱく質」を標的に、
体の免疫を活性化するために作られたものです。
ところがこの研究では、がん患者さんがこのワクチンを受けると、
**がん免疫治療(免疫チェックポイント阻害薬)**の効き目が良くなる可能性があると示されたのです。
🔬どうしてそんなことが起こるの?
mRNAワクチンを打つと、体の中では「インターフェロン」という免疫を活性化する物質が大量に出ます。
この刺激が、免疫細胞(特にT細胞)を目覚めさせ、がん細胞に反応しやすくすると考えられます。
つまり、体全体の免疫スイッチが入ることで、がん免疫治療が働きやすくなるのです。
📈どんながんで効果が見られた?
- 肺がん(非小細胞肺がん)
- 皮膚がん(悪性黒色腫)
これらの患者さんでは、
免疫治療の直前100日以内にコロナワクチンを打っていた人の方が、
生存期間が明らかに長かったという結果でした。
💉ほかのワクチンでも同じ?
インフルエンザや肺炎球菌のワクチンでは、このような効果は見られませんでした。
つまり、mRNAワクチン特有の免疫刺激作用が関係していると考えられます。
🌈まとめ
この研究は、「コロナワクチンを打つとがんが治る」という意味ではありません。
ただし、体の免疫システムを整えて治療の効果を高める可能性があるという、
新しい発見です。
すでにがん免疫治療を受けている方や、これから始める方にとって、
「ワクチンをどう活用するか」は、今後の重要な研究テーマになりそうです。
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