鎌倉衛生時報に当院からの記事が載りました!

今月の鎌倉衛生時報に当院からの記事が載りました! 当院を受診される方で一番多い「なかなか止まらない咳」についてです。

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なかなか止まらない咳、困っていませんか?

「風邪のあと咳だけが続く」「夜も咳で眠れない」「会議中に咳が出て困った」「咳が気になって人との関わりが億劫に…」——こんな経験のある方も多いのではないでしょうか。
咳はとても身近な症状ですが、長引くことで体力だけでなく、心の負担にもなります。今回は、そんな「長引く咳」の原因や治療についてご紹介します。

3週間以上続く咳は要注意!

咳が3週間以上続く場合、風邪以外の原因を考えるべきです。まずは胸のレントゲンで、肺炎や結核、間質性肺炎、また肺がんといった病気がないかを調べる必要があります。もしそれらを疑う異常があれば、CTや痰の検査、場合によっては気管支鏡検査などを行うことがあります。これらはある程度規模の大きい病院で行うことが多いでしょう。
一方、レントゲンで明らかな異常が見つからない場合でも、咳の原因をさらに詳しく調べることになります。

原因として最も多いのが喘息(ぜんそく)

長引く咳の原因として最も多いのが喘息です。特に咳だけが目立つものを「咳喘息」と呼ぶことがあります。風邪のあとや季節の変わり目に悪化することが多く、アレルギー体質がある方にもよくみられます。咳のほかに胸がムズムズする感じがあったり、運動時に息が上がりやすかったりする方は、喘息の可能性があるかもしれません。呼吸器内科では、肺機能検査や呼気中の一酸化窒素測定などを行い、より正確な診断と治療を進めていきます。

喘息は若い人の病気と言われることがあります。しかしこれは誤解で、ご高齢になってから初めて喘息と診断される方も少なくありません。また特にタバコを長らく吸っていた方は、肺気腫(あるいは慢性閉塞性肺疾患)の合併にも注意が必要です。

喘息の治療は、吸入薬(ステロイドや気管支拡張薬)が柱となり、補助で飲み薬も用います。最近では新しい注射薬も登場してきており、治療の選択肢は広がってきています。

咳の原因は他にも

たとえば、鼻水がのどに垂れ込む「後鼻漏(こうびろう)」や、胃酸が逆流する「逆流性食道炎」、喘息とは異なるアレルギーによる「喉頭アレルギー」「アトピー咳嗽」なども、長引く咳の原因として知られています。花粉症や蓄膿症のある方は耳鼻科、胸やけを感じる方は消化器内科の受診も検討しましょう。

近年では「咳過敏症候群」と呼ばれる新たな病態の存在が注目されており、これまでの治療で効果がなかった方に対して、新しい治療アプローチが試みられるようになってきました。

通院はどれくらい必要?

咳の原因はさまざまで、初回の受診だけで治療が完結するとは限りません。複数の原因が関わっていることも多く、いくつかの治療を試しながら、少しずつ改善していくケースもあります。
一方、吸入薬を始めて数日で咳が劇的に良くなる方もいます。症状が良くなるとついつい薬を中断してしまいがちですが、再発を防ぐためにはしばらく治療を続けることが大切です。主治医とよく相談しましょう。

まずは呼吸器内科へご相談を

長引く咳には、必ず何らかの理由があります。「歳だから」「風邪が長引いているだけ」と我慢せず、ぜひ一度、呼吸器内科にご相談ください。早めの診断と適切な治療で、つらい咳から解放されるかもしれません。

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