高山病予防とアセタゾラミド(ダイアモックス®)~高地への旅行・登山前に知っておきたいこと~

夏休みですね。富士山や海外の標高が高いところへ出かける方もいらっしゃるかと思います。
今回は、高山病の基本知識と、その予防に使われるアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス®)の自費診療についてご紹介します。
高山病とは?
高山病(急性高山病、AMS:Acute Mountain Sickness)は、標高2,500m以上の高地に急速に登った際に、身体が低酸素に順応できずに発症する症候群です。
特にリスクが高いのは:
- 高度順応をせずに急速に登る(例:飛行機で高地都市に一気に到達する)
- 若年者や高山病既往者
- 睡眠不足や脱水状態
主な症状は【頭痛・倦怠感・吐き気・めまい・不眠】などです。重症化すると高地肺水腫(HAPE)や高地脳浮腫(HACE)といった命に関わる状態に進展します。
高山病は予防できる?
はい、予防は可能です。
- 可能なら2〜3日かけてゆっくり登高(1日あたり300〜500mまで)
- 睡眠・体調管理・水分補給をしっかり
- 海外渡航者や急ぎの登山者では、予防内服薬の活用も効果的
予防薬「アセタゾラミド(ダイアモックス®)」とは?
アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害薬で、呼吸を促進し酸素取り込みを助ける作用があります。高山病の予防薬として国際的に第一選択薬とされています。
▷ 使用方法
- 通常 1回125mgを1日2回
- 登山(渡航)前日の夜から内服開始し、2〜3日続ける
▷ 注意点
- 日本では高山病に対しては保険適用外(自費診療)
- 一部の方に手指のしびれや多尿、味覚変化などの副作用が起こることがあります
- 妊婦・腎疾患のある方は使用できません
◆ 当院でのアセタゾラミド処方について
当院では、高山病予防のためにアセタゾラミド(ダイアモックス®)の自費処方を行っております。
▶ 費用目安(自費診療)
項目 | 金額(税込)の目安 |
---|---|
初診料(自費)+ 処方箋料 | 3,900円 |
薬剤料(ダイアモックス®) | 1,000円 |
※おおよその目安です。処方量や診察内容により変動します。
◆ 誰におすすめ?
- 富士山五合目以上に登る予定の方
- マチュピチュ・ウユニ・キリマンジャロなどに行く旅行者
- エベレスト街道・アンデス登山を計画されている方
- 過去に高山病を経験した方
海外では、標高3,000〜5,000mの都市や観光地が数多く存在し、特に飛行機で一気に到達する場合のリスクは高まります。
◆ 渡航前・登山前に早めのご相談を
高山病の予防は、「登ってから」ではなく「登る前」が大切です。
当院では出発の1週間前までの受診をおすすめしております。
「高山病が不安」「以前つらい思いをした」「市販薬で大丈夫か?」
そんな方はぜひお気軽にご相談ください。
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