呼気一酸化窒素(NO)濃度検査について

・とても平たく言うと、「喘息らしさをチェックできる検査」です。

・呼気一酸化窒素濃度を英語で言うと fractional exhaled nitric oxide(FeNO)となり、「フィーノ」と呼んだりします。

・日本では2013年に保険収載され、一般に検査ができるようになりました。比較的まだ新しい検査です。

当院では、FeNO測定機器で最も広く使われている NIOX VERO を採用しています。

専用の機器に10秒間一定のスピード(45-55mL/秒)で息を吐くことによって測定できます。この一定速度で息を吐くのが、特に初めての方にはなかなか難しいことが多いです。

・日本の健常成人の正常値は15 ppb(ppb = 10億分の1)、正常上限は37 ppb。これを踏まえて、35 ppb以上の場合に(タイプ2※)喘息が存在する考えられます。※タイプ2については、この後で説明します。

・FeNOと喘息重症度の関連は乏しいです。つまり、必ずしも「数値が高い = 喘息の症状がひどい」「低い = 軽い」とは限りません。

FeNOの数値が高いほど、吸入ステロイドの治療が期待できます。一方でFeNOが高い方は肺活量の低下が速いというデータもあります。(Colak. Thorax. 2024) そういった方は、よりしっかり吸入ステロイド等による治療を受けた方が良いかもしれません。

・逆に数値が低い場合、ここが難しいところで、喘息でないか「低タイプ2喘息」の可能性があります。

・喘息はステロイドが効きやすい「タイプ2喘息」と、効きづらい「低タイプ2喘息」に分けられます。ステロイドが効きづらいとはいえ、実際は「低タイプ2喘息」でもステロイド治療が行われます。

・したがって、FeNOが低くても、医師の総合判断(他の病気の可能性が相対的に低い、発症や症状のパターンが喘息っぽい、他のアレルギー疾患が合併している、ご家族にアレルギーの方がいる/多い…)で、吸入ステロイドを試してみることは極めて普通にあります

・FeNOは適切な吸入治療によって低下します。2週間の治療で平均1/3程度まで低下すると言われます。(Bradsley. Respir Res. 2018)

FeNOの数値を参考にしながら吸入ステロイドの減量を行う方が、喘息の悪化を起こしづらいことを複数の研究が示しています。(Tsurumaki. Respiratory investigation. 2025) 当院でも、特にFeNOの値が高かった方については、FeNOを適宜行いながら治療薬の調整をするように心がけています。

まとめ

・呼気一酸化窒素濃度で喘息らしさがチェックできる。(正確に言うと「タイプ2喘息らしさ」)

FeNOの数値が高いほど、吸入ステロイドの治療が期待できる! ※ 決して喘息が重症と意味ではない。

FeNOが低くても、医師の総合判断で吸入ステロイドによる治療を行うことは(普通に)ある

・喘息が悪化しないよう慎重に薬を減らしていく際、FeNO検査は有用